TIP構法とは

実験の裏付け

 

 

東京工芸大学での実験1

平成12年の建築基準法改正以前のTIP構法の性能については、構造実験室内に設置した実物大の試験体で、水平加力試験を行いました。

その結果、当時の住宅金融公庫仕様の2.69倍の耐震強度が実証されました。

TIP構法仕様 住宅金融公庫仕様
●所定変形時荷重

単位:kg

TIP高耐力実大試験体の所定変形時荷重【公庫高耐力仕様との比較】
仕 様 変   位 mm  (変形角) 最大荷重
15(1/200) 25(1/120) 50(1/60) 100(1/30) 150(1/20) 200(1/15) (変位)
公庫高耐力仕様 1,052 1,321 1,803 2,438 2,410 2,547 2575
(130)
TIP仕様 1,848 2,560 3,908 5,709 6,637 6,949 6949
(200)
TIP/公庫 1.76 1.94 2.17 2.34 2.75 2.73 2.70

注)γ=変形角=変位量/高さ 試験体の高さ:3,000mm

●荷重変位曲線

グラフ1

〔注〕 住宅金融公庫は2007年より独立行政法人 住宅金融支援機構に変わりました。

東京工芸大学での実験2

さらに耐震性の高いTIP構法の開発を目指し、高耐力の公庫仕様との比較実験を行いました。

その結果、当時の住宅金融公庫高耐力仕様の2倍の耐震強度が実証されました。

TIP構法高耐力仕様 住宅金融公庫高耐力仕様
●所定変形時荷重

単位:kg

標準型実大試験体の所定変形時荷重【公庫VSTIP】 公庫:Z金物 TIP:合板ガセット
仕 様 変   位 mm  (変形角) 最大荷重
15(1/200) 25(1/120) 50(1/60) 100(1/30) 150(1/20) 200(1/15) (変位)
公庫仕様 1,436 1,892 2,803 4,066 5,024 5,642 5642
(200)
TIP高耐力仕様 3,381 4,562 6,748 9,565 11,210 10,412 11329
(165)
TIP/公庫 2.35 2.41 2.41 2.35 2.23 1.85 2.01

注)γ=変形角=変位量/高さ 試験体の高さ:3,000mm

●荷重変位曲線

グラフ2

標準仕様・高耐力仕様、実大試験体4体比較

●所定変形時荷重

単位:kg

TIP高耐力実大試験体の所定変形時荷重【公庫標準仕様との比較】
仕 様 変   位 mm  (変形角) 最大荷重
15(1/200) 25(1/120) 50(1/60) 100(1/30) 150(1/20) 200(1/15) (変位)
公庫仕様 1,052 1,321 1,803 2,438 2,410 2,547 2575
(130)
TIP高耐力仕様 3381 4562 6748 5,709 6,637 6,949 11329
(165)
TIP高耐力/公庫 3.21 3.45 3.74 2.34 2.75 2.73 4.40

注)γ=変形角=変位量/高さ 試験体の高さ:3,000mm

●荷重変位曲線

グラフ3

日本住宅・木材技術センターでの実験

平成12年の11月29日30日の2日間、協会本部は日本住宅・木材技術センターの試験研究所に依頼して、TIP構法耐震壁の面内せん断試験を行いました。

試験を実施した住木センターの試験研究所

これは平成12年6月の建築基準法の改正による仕様規定により、この構法が告示1460号(木造の継手及び仕口の構造方法を定める法)に抵触することになったので、「TIP構法による筋かい端部の接合が基準法と同等以上」という評価を得ることが急務となったためです。

そこで、上西会長の指揮のもと、会員の白門建設興業㈱の協力を得て前日から試験体を製作、当日は、協会本部からは技術スタッフである山本、井下田が参加しました。

A: 45×90筋かいのTIP構法耐力壁の

面内せん断試験試験体図面

B:筋かい端部は鉄板で補強したガセット

プレートで柱及び横架材(土台・桁)に

接合

この試験方法は、Bでみると良くわかるのですが、右上のオイルジャッキで梁の小口の中央に水平に力を加えていくというものでした。

一つ目の試験体は住宅の骨組の中にある耐力壁軸組の一つで、45×90筋かいが取り付けられています。45×90筋かいは、筋かいプレートBP-2を使用する様、告示で決められています。これを鉄板補強ガセットプレートに置き換えても良いかどうかを確かめるための実験ですが、結果的には差支えないことが確認されました。

C:外部に面した部分は外側を緑色に

着色したガセットプレート

D:ガセットプレート内側は鉄板貼。

クリアランスのある筋かい

但し、「基準法と同等以上」というためには、次の6つの条件を満たすことが必要になります。

  • (1)軸組は水平力対応型の軸組とする。
  • (2)横架材は胴差の成を180mm以上、桁の成を150mm以上とする。
  • (3)ガセットプレートは鉄板補強ガセットプレートとする。
  • (4)筋かい端部のクリアランスは約15mmとする。
  • (5)筋かい端部の接合用釘はN50またはCN50とする。但し、自動釘打機を使用する場合はN50相当釘またはCN50相当釘とする。
  • (6)筋かい端部の接合用釘の本数は1ヵ所あたり18本以上とする。

従来の仕様でも耐震強度は充分ありますが、建築基準法が厳しい方向に改正されましたので、これに合わせてTIP構法もレベルアップしました。

E:ラス下地板張のTIP構法耐力壁の

面内せん断試験試験体図面

F:ラス下地板張の試験風景

もう一つの試験体は、これも耐力壁軸組の1つですが、この場合は筋かいは入っていません。外壁仕上げのための下地板が取り付けられたもので、通常は水平に張るところをTIP構法では斜め45度に張っています。そのため、この耐力壁は極めて粘り強いものとなり、試験機の測定限界(柱頭の水平変位で約25cm)を超えても全く壊れませんでした。

測定終了後、荷重を0にしてからしばらく放置しておきましたが、気が付くとほぼ元の状態に戻っていました。

TIP構法は外周全てをこの方法で施工していますので、このことからも粘り強さの他に復元力も大きいことがおわかりいただけると思います。

鉄板貼のガセットプレートによる効果も色々と確認できました。

例え釘が抜けはじめる程 力を加えてもガセットプレートの表面が破れることもなく、また、釘穴も広がることもありませんでした。

今回の実験は、建築基準法の改正によって行われることになりました。当協会の意図していた結果はクリアできたので問題はないのですが、残念なことに物差となるものの試験データがありません。

早急に告示1460号に沿ってBP-2を使用した耐力壁の試験が行われることを期待しています。

   
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