第20回
TIP構法の模型実験(その3)
 
 
(5)ガセットプレートとラス下地板斜め張りの総合効果

 TIP構法の「ラス下地板張り耐震壁」は、対角線上で向かい合った上下二つの節点にガセットプレートを釘打ちにより取り付け、つぎにラス下地板を張ります。ラス下地板は、軸組の上下部に台形のものを、中間部には平行四辺形のものを釘で打ち付けます。こうして、長さ3尺のラス下地板張り耐震壁はできあがりです。
 そこで、最後に「ガセットプレートとラス下地板斜め張り耐震壁」の模型実験をご覧いただきましょう。まず、上記の手順に従って試験体を組み立てます。試験体ができたらこれまでと同様、受台に分銅を載せて加力します。写真17は試験体の左側の受台に1kgの分銅を2個を載せたとき、写真18は試験体の右側の受台に同じ分銅を載せたときの写真で、左右どちらに載せても殆ど傾きは見られません。

写真17 写真18
写真17
写真18


 そこで、最後ですから大奮発して0.5Kgの分銅を2個追加してみます。写真19は左側に、写真20は右側に追加したときの写真です。合計3Kgの分銅を、左右どちらに載せても殆ど変形せず、この耐震壁の耐震性能がいかに大きいかがお分かりいただけると思います。

写真19 写真20
写真19
写真20


結び
 
 これまでの模型実験でガセットプレートの効果および、下地板斜め張りの効果をご覧いただきましたが、構造力学の原理を活用した材料の使い方をすることにより、耐震性能が著しく向上するということをご理解いただけたことと思います。
 なお、実物の耐震壁の実験については、当ホームページの「TIP構法開発の経緯」のうちの「第4回東京工芸大学構造研究室に於ける実験(昭和61年度No.1)」をご覧ください。節点にガセットプレートを使用することと、ラス下地板を斜め45度に張ることによって、公庫仕様の約6倍の耐震壁に変身するとは、私自身も予想できませんでした。


 

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