地震・災害に強い木造住宅「TIP構法」日本TIP建築協会

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K様邸訪問

  • 2011年02月26日

『TIPレポート』として、以前TIP構法で建てられた方に、お住まいについて伺ったことを掲載しましたので、どうぞお読みください。


2010年11月27日、竣工後一年半程経過された、千葉県船橋市のK様のお宅にお伺いしました。
K様ご夫妻と施工を担当された白門建設の薄田氏からお話を伺いました。

事務局:TIP構法で建てられたきっかけはどういうことだったのでしょうか?

K様:勤務先の構造事務所の当時の所長がTIP建築協会の上西会長と長年の友人であられたことから、TIP構法のことはよく耳にしていました。実際に家を建てるときなって、自分でネッにトで検索して調べたのがきっかけです。

事務局:構造設計事務所にお勤めですが、そういうお立場から見て、TIP構法はいかがですか?

K様:構造設計をやっていた時期もあり、ねばり強い家が欲しいという気持がありました。 面でがっちりというよりも、せっかく木造なので、粘り強く、やわらかいところでしっかり支える構法なので、とても安心感があります。

事務局:そういうふうになかなかご理解いただけないのですが、解っていただけてうれしいです。

K様:じつは私の実家がお寺で、古い木造の建物で育ってきたからかも知れません。

事務局:住まいに関しての幼児体験は結構引き継がれるといいますよね。ですから今度もこのような素敵なお住まいで子育をなされていいですね。設計はどなたがなさったのですか?また白門建設さんに決められたきっかけはどういうことでしたか?

K様:プランは白門建設の方と相談しながら決めました。 TIP構法をインターネットで検索して千葉でやっている会員会社のなかから、通風や自然な木を使った感じがよいと思い連絡をとりました。

事務局:白門建設さんは当協会の理事もされていらして、長くTIP構法に取り組まれて、棟数も多くとても熱心な会員さんです。着工前に会長とのつながりとかいろいろな関係がわかっていればよかったのですが。

K様:もともと私の事務所の所長と上西会長が、海軍兵学校でご一緒だったようですね。TIPという言葉を聞いたのも、うちの所長と上西先生が電話でお話しされていたのを耳にしたからです。

事務局:TIP協会では会員の工務店さんに特記仕様書というものを申請していただき、またTIP施工後に施工写真とチェックシートを提出していただき、認定書を発行しています。今回は問題なく良い施工のようでした。問題のある場合は工務店さんのほうに、きちっとフィードバックするようにしています。マニュアルに沿った正しい施工をして欲しいということです。
工事中に現場をご覧になった感想はいかがでしたか?

K様:すごく安心感はありましたね。下地板がきれいに張られて手間をかけてやっていただいたとの思いはあります。

   

事務局:白門建設さんはTIP構法に慣れてらっしゃるので、施工スピードは早いと思います。
施工のお立場からなにかお話しいただけますか?

白門建設・薄田氏:時間を計りましたが、三尺の壁のラス板を10分ほどで張りました。東西南北の壁でいえば、一日一面施工できます。以前TIP構法で施工した自社の住宅展示場を解体したとき、重機が浮き上がり、機械のほうが倒れそうになるということを初めて経験をしました。

事務局:構法をはじめてまだ18年しか経っていませんので、あまり壊されている方はいないと思います。実際、阪神淡路大震災の時も壊れませんでしたから。
完成後なにか気づかれたことはありますか?

K様:TIPを全面張っている場面を見ていましたので、地震の時安心感があります。地震のときは前の家と違う感じがしましたし、外に逃げようと思わなかったです。家に居たほうが安全だと思いました。結婚前に住んでいた家と揺れ方が違うように感じました。前はぶらんぶらんという感じで、TIPは粘っている感じでした。

事務局:TIP構法で建てられた別の住宅でも、地震でも気がつかないというような事があったようです。

白門建設・薄田氏:TIP構法で建てられた経緯が重要ですよね。構造事務所の先生がお話しされていた事を覚えていらしたというようなことでしたよね。

事務局:TIP協会側からもうしあげますと、構造事務所にお勤めでいらして、構造のことも詳しいかたがTIP構法を選んでくださったという事実に大変喜んでいます。建築専門の方でも考え方はさまざまですから。

白門建設・薄田氏:TIP構法はデータ重視という考え方ではないですからね。住宅は一棟一棟データを出せるというものではないですからね。

事務局:もともとTIP構法は力学の原理を応用しているのですが、多くの実験データに基づいて開発された構法です。最近は数値重視の世の中になってきているので、在来軸組構法の良さを残していくことに対する危機感が会長にはあるようです。在来工法がなくなってしまうのではないかというようなことです。長期優良住宅で補助や減税とか政府は言っているようです。地場産の木材を使うとか、公共建築に木造を使うとかの動きはあるようです。

白門建設・薄田氏:ナビカウンターという、リクルート関係で「千葉の注文住宅」という雑誌に掲載されている工務店の業者をお客さんに紹介する機関があるのですが、そちらの場合は金額重視、スピード重視で話が進むようです。私どもに直接来られるお客様は自分で勉強されて決断されるようです。耐震構法を理解されたうえでTIP構法を選ばれています。

事務局:在来工法は日本の文化の一つですので、なんとか生き延びていって欲しいです。

白門建設・薄田氏:山の杉も使わなければいけない時期にきていますからね。これ以上使わないと山が死んでいってしまいますよね。そういう意味で耐震構法で大工さんの仕事も確保でき、杉をいっぱい使うという構法ですよね。今国産の杉の価格が上がってきました。地域活用型の長期優良住宅が生きてきているようです。ほとんどのメーカーも輸入材でなく国産材になってきているようです。

事務局:ほんの少しの努力で山も生き返るんですよね。

白門建設・薄田氏:エコポイントの影響で断熱材も品薄になってきています。

事務局:協会のほうでも会員さんから、断熱材が手にまったく入らないというお話しは聞きました。

白門建設・薄田氏:グラスウールがなくなって安くてよいものはないか、ということでパーフェクトバリヤに移行してきたようです。その次はセルロースファイバーというわけです。セルロースファイバーのよさを知っていただく良い機会かもしれませんね。セルロースファイバーとTIP構法を両方使えば、調湿力がよくなりますよね。

事務局:何がきっかけでいろいろ動き出すかわからないですね。
新潟地震の後も会員さんに連絡をとりましたら、TIP構法で建てたものは問題なく大丈夫だが、それ以前に建てた物件の対処に忙しいとのことでした。蓄熱暖房が重く、振動で外壁を突き破ってしまったりしたそうです。地割れを起こし、土地が減ったり、増えたりした所もあったようです。

白門建設・薄田氏:お客様のなかに沖縄から関東に転勤でいらして大地震を予想し、耐震構法を調べTIP構法から私どもの会社を探された方がおられます。

事務局:当協会では月2回ほどTIP構法セミナーを開いております。

白門建設・薄田氏:私も新人のときにTIP構法セミナーには一度伺いました。うちは入社したら必ずTIP構法のセミナーは受けることになっています。Kさんもぜひいらしてはいかがですか?

事務局:一般のかたに向けてのセミナーもありますのでご興味のある方にご紹介ください。いつでもお待ちしております。
ただ今 ホームページのリニューアル中ですが、ブログとか工務店さんの構造見学会の情報も載せる予定でいます。全国に会員さんがいるのですが、なかなか現場を見ていただくことはできないものですから、わかる範囲でご紹介できればと思っております。興味のある方は是非見学会にいらしていただきたいと思っております。

 

 

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