地震・災害に強い木造住宅「TIP構法」日本TIP建築協会

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T様邸訪問

  • 2010年09月26日

『TIPレポート』として、以前TIP構法で建てられた方に、お住まいについて伺ったことを掲載しましたので、どうぞお読みください。

2010年7月15日、TIP構法の第1号住宅である熱海のT様のお宅にお伺いしました。
平成2年11月の竣工から約20年経ってのご感想と、TIP構法で建てられたきっかけなどについて、T様とお嬢様に、お話を伺うことができました。

事務局:TIP構法で建てられたきっかけはどういうことだったのでしょうか ?

T様:家の設計ができていて、その後TIP構法で建てることになったんです。
上西先生とは東急設計コンサルタントの協力会社(40社くらい)の会合でお会いして、上西先生が協力会社の会長で、私が事務局長でした。そのときからのお付き合いです。一月に一回の会合のときに、そろそろ家を建てようと思っているとお話したら、ぜひTIP構法で建ててみてくれないかとおっしゃられたので、良いですよ、とお返事して建てることになりました。初めはRCで建てようと思っていたのですが、先生の構法は木造なので、地下だけRCにして、後は木造にしようということにしました。傾斜があるので、地下はRCの箱にしてしまって、その上に木造で建てることにしました。出来上がるまで先生には何度も現場に来ていただきました。先生の大学の研究室にも伺いました。

   

事務局:この辺りは地震はどうですか?

T様:地震は建ってすぐ、群発地震が何回かありました。私はずっとRCのマンションに住んでいて、
実家(草加)は木造なんですが、TIP構法は木造とは違ってRCに似た揺れ方をしますね。
コンクリートの揺れ方ですね。
最初びっくりしたのが、大きい地震が来ると、ビシッという音がするんです。一瞬すごいんですが、
その後はほとんど揺れません。普通の木造だとすごく揺れるような地震でも、
最初のビシッという音だけで、RCに似た揺れ方ですね。

事務局:下地板の関係かもしれませんね、この頃はまだ突きつけで施工していたので
その音かもしれません。

T様:筋かいが離れていますよね、筋かいがくっついていると桁を押し上げてしまうと先生が
おっしゃっていましたね。そこが良いところだと思います。
阪神大震災のときもここは揺れました。ドンといっただけでしたけど。
地震のときは細かい揺れはありますが、気にならないくらいですね。先生がおっしゃっていましたが、
周りの家がつぶれても、お宅はつぶれないから大丈夫よ、とのことで安心しています。

事務局:TIP構法で建ててよかったなと思われることはどんなところですか?

T様:やっぱり地震があっても安心していられるところです。
外壁は45度に下地板を張っていないところがあって、大工さんにやり直してもらったところもあります。
第1号だから大工さんもよくわかっていなかったところがあって。30度に張っていたので、
45度に張りなおしてもらいましたね。方向が違うところもあって、そこも張りなおしてもらいました。
大工さんは慣れなかったから、45度にカットするのが大変だったようです。1本決めてやれば
良いんですが、だんだん短くなっていくから、その度に測ってやっていって、その後はジグを作って
これは何番目のとかいって張っていきましたけれどね。
張ったところはすごくきれいですよね、芸術作品ですよ。

事務局:内部から斜め張りが見られるようにしている工務店さんもいらっしゃいます。

T様:家でもしばらく玄関脇のところの仕上げが張っていなくて、
斜め張りが見られるようになっていましたよ。屋根や床もこの構法で張っていくとよいと思います。
この家は構造用合板を床に張っていないんです。構造用合板はすごく防腐剤を使うので、節のある下地板でもよい
TIP構法は、人にも環境にやさしいですよね。やはり住まいは木造が良いですね。

お建てになって20年ほどになられますが、外壁をペンキ塗り替えした他は、以前と変りなく、
生活なさっているとのことでした。とても穏やかなお人柄のT様は、設計者の立場からも
TIP構法の良さをお話してくださいました。
住宅の中をご案内いただき、TIP構法の話から、お仕事で出かけられたマダガスカル島の話、また国立動物園を作りたいという話など、様々な楽しい話を伺うことができました。お忙しい中、お時間をとっていただきまして、本当にありがとうございました。

第1号住宅から始まり、現在TIP構法の着工件数は8000件を超えました。
これからも在来軸組構法の耐震構法として広がっていって欲しいと思います。

 

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