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建築研究所特別講演『熊本地震による木造住宅の被害から耐震設計を考える–坂本功先生』に参加しました!

  • 2017年04月30日

平成29年3月3日に有楽町朝日ホールにて、坂本功先生の特別講演『熊本地震による木造住宅の被害から耐震設計を考える』が行われ、事務局スタッフが参加してきました。

講演の内容は、“熊本地震における国交省報告書のまとめ-新耐震基準以降、基準の明確化した2000年までのものにも、倒壊したものが多い。これらは接合部が不十分であった。また2000年以降のものにも、倒壊したものがある。これらも接合部が不十分であった。局所的に大きな地震動があった可能性がある。

熊本地震の本震の破壊力は新耐震基準で想定している地震動の数倍あったので、単純に考えれば、2000年基準以降の木造住宅もすべて倒壊してもおかしくはなかったのに、それ以降の木造住宅の倒壊が少なかった最大の理由は、余力が大きかったこと”などをお話しされ、建物には余力がとても大切であることが改めてわかりました。

建物の余力について、坂本先生は“設計基準に含まれる余裕度、設計上の余裕耐力、そして非構造部材による純余力”を挙げられていました。“非構造部材の余力は不安定であり、減れば地震被害が増え、増えれば地震被害が減る”とのことで、建物の構造部材に余力を持たせているTIP構法は、地震に強い、と再認識しました。

また直下率(上階の柱・壁の下に下階の柱・壁がある割合)についてもお話があり、“熊本地震における倒壊は、直下率が低いことが主要な理由ではないとは言え、直下率は構造計画の善し悪しの指標である”とおっしゃっていました。

(一財)日本建築防災協会のホームページに掲載されている『誰でもできるわが家の耐震診断』の中で直下率をとりあげているように、“直下率は非常に重要で、直下率が低いものは、常時に障害を引き起こしやすいので、構造計画が重要である”ことを強調されていました。

“新耐震基準は、きわめてまれな地震動に対しては辛うじて倒壊しない程度の耐震性しか要求していないので、熊本地震で2000年基準以降の木造住宅の倒壊が少なかったのは、余力のおかげ”とのことです。“次の大震災、大被害があった時、速やかに対応できるように、準備的な研究は常に進めておくことが必要”とのことでした。

“想定外の地震動により軸組構法の耐力壁が壊れた後、どのように倒壊するかを考え、地震後の修理や住まいに配慮すべきであり、木造住宅を設計する人は、構造計画を考えること、現行の耐震基準を(新耐震基準+2000年基準)を守ること、その上で構造的・耐震的に余裕のある設計をすること、が大切である”とお話しされていました。

以上、坂本先生の講演内容の抜粋を書かせていただきましたが、とても有意義な講演会で、TIP構法の特徴とも重なるところのあるお話しでした。

 

 

 

 

 

 

 

 

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