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『会長からのメッセージ』(1) 接合部設計について

  • 2013年08月01日

 この文章は以前『会長からのメッセージ』としてホームページに載せていたものです。(2002年5月)  お問い合わせが多いものを抜粋して再度掲載しました。

 接合部設計とは柱と土台の接合、柱と胴差・桁等の接合、筋かい端部の接合をどう設計するかということですが、ここでは筋かい端部の接合部の設計について鉄骨造と木造を比較しながら考えてみましょう。軸組構法の場合は、鉄骨造でも木造でも地震などの水平力が作用したとき、筋かいが建物の揺れを少なくしたり、倒壊を防いだりする働きをします。ここまでは鉄骨造でも木造でも同じですが、設計手法はかなり違います。

 鉄骨造では筋かいにかかる力を計算し、その計算結果から筋かいに用いる部材を選びます。筋かいが決まったらその断面積を求め、断面積にあわせてボルトのサイズおよび本数を決めます。ボルトの本数が決まったら、そのボルトが有効に働いてくれるようなガセットプレートの大きさを決めます。ガセットプレートの厚さはボルトの本数を決める前に決めておくのが普通です。つまり筋かいに用いる部材に合わせて、ボルトの本数やガセットプレートの大きさを決める、という流れに沿って設計するのが接合部設計なのです。筋かいに働く力、筋かい材の断面積、接合に用いるボルトの本数、ガセットプレートの大きさそれぞれのバランスを保ちながら決めていくのが、上手な接合部設計というものだと思います。

 木造では筋かい端部の接合については、従来は無法地帯に近く「何でもあり」の状態でしたが、そのような環境のなかで、住宅金融公庫が早くからバランスのとれた接合部を具体的に提案してこられたことには敬意を表して参りました。しかし、平成12年の基準法改正に際して建設省告示第1460号(木造の継手及び仕口の構造方法を定める件)が制定され、住宅金融公庫の共通仕様書もそれに同調したことにより、かなりバランスの欠けたものになってしまったと思っている人は少なくないのではないでしょうか。

 バランスのことは別にして、告示では接合金物が具体的に明示されていて使用する釘の種類も本数も決められているので、鉄骨造の例に見られる様な接合部設計は事実上できないような仕組みになっています。

 ちなみに、TIP構法では、筋かいは一般に45×90を使っていますが、45×105とか45×120の断面の筋かいを使うこともあります。この様な場合は、筋かいの断面または耐力に応じて釘の本数を決め、釘の本数に応じてガセットプレートの大きさを決めることになります。この様にTIP構法では、木造では一般に行われない接合部設計という手法を用いることで、建築主のニーズに応えることが可能になります。

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