地震・災害に強い木造住宅「TIP構法」日本TIP建築協会

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きになる木の話

  • 2018年06月22日

築27年になる我が家のリフォームで、1階の床を無垢の栗材で貼りました。
知り合いの材木屋さんが山形の、食用でない長物の栗材を入れて下さったおかげで、幅は130㎜で、長さは2~4メートル近い床材を使うことになりました。
施工前に蜜蝋を塗ってもらい、大工工事も無事終了。
無垢の栗の床材は、色合いといい、香りといいまるで赤ちゃんの肌のようでした。
家具をもとに戻し、こんどこそ物を減らし、すっきりと暮らそうと意気込んでいました。
しかし、です。ここでトラブル発生。汚れたキッチンのプラスチックのごみ入れを洗剤(セスキ炭酸ソーダ)片手に拭いていたら、足元になにやらシミが。そのまま手にしていた雑巾でこするとシミはさらに広がり、1メートル四方に茶色いシミのかたまりが広がっていました。
なになに?と住宅用洗剤など試してみるも、修復不可能で事態はさらに悪化する一方。
床材を入れてくれたHさんにSOSの電話をすると、
「とにかく水拭きして。」とのこと。
すると、あの栗のモンブランのような薄茶色の液が出てくる、出てくる。
「そのあと乾かして、#12、#18のサンドペーパーをかけ、仕上げにメラミンスポンジでよくこする」とのことでした。
その日は失意のまま、所用があり午後は外出したのですが、夕方家人より連絡が入り、Hさんご夫妻が遠方より車を飛ばし来て下さり、ゴシゴシと床を磨いてくれているとのこと。
あわてて帰宅すると、床はまた元のようにほっこりとした色に戻っていました。
「Hさん達ありがとうございます」感謝の想いでいっぱいでした。
説明を伺うと、自然洗剤としてとても優秀なセスキ炭酸ソーダですが、栗と化学反応を起こしてしまい、タンニンが流れ出てしまったようでした。
「それで雑巾に和栗モンブランのような色がついたのね。」と納得。無垢板ならではの修復力に感動でした。
蜜蝋をかけただけの栗板の肌触りは、素足にとても心地よく、一日の疲れを癒してくれています。これからゆっくり時間をかけて、栗の風合いを楽しみながら無垢板の変化を楽しんでいこうと思っています。

 

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