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『想定外』を想定したTIP構法

  • 2012年03月11日

昨年の3月11日に発生した東北地方太平洋沖地震で亡くなられた方々のご冥福をお祈りします。また、被災された方や避難所でお暮らしの方には心よりお見舞い申し上げます。

 

3月11日の大災害は「想定外」の事態によるといわれています。マグニチュード9.0という大きい地震が起きたことも、津波の高さが防潮堤の高さをはるかに超えたことも、また、津波で防潮堤の一部が破壊したこともすべて想定外であったため、未曾有の大災害になったといわれています。

津波の被害が大き過ぎたため、内陸で起きた地震被害は見過ごされていましたが、雪がとけてからぼつぼつ報道されるようになり、改めて被害の大きさに驚いています。また、

最近になって、震度7の首都直下型地震が取り沙汰され、大地震から住まいの安全や家族の生命を守るためにどうしたらよいのか心配している方も多いと思いますので、長年木造住宅の耐震構法に関わってきた私から一言申し上げます。

構造物を設計する場合の共通の原則は 外力≦耐力 という不等式で表わすことができます。この式を見ればお分かり頂けるように、外力を大きく取るほど安全に繋がりますが、外力より大きい耐力を確保しようとすると費用がかさみます。

一方、費用を安くしようとして外力を小さく取った構造物に大きい外力が作用すると、不等式の向きが反転して大変なことになります。もちろん、外力の想定を誤る原因は費用だけではないと思いますが、いずれにしても「外力の想定」は構造物を造る場合に直面する最初の重要課題です。

さてここで、わが国の木造住宅耐震設計の考え方について説明します。現行の耐震設計の基本式は所要壁長≦設計壁長で、これを数式で表わすとβ×A≦Σα×Lとなり、外力も耐力も「耐震壁の有効壁長」に置き換えています。

 所要壁長=β×Aは外力(地震力)に相当する有効壁長で、国が定めた係数βに床面積Aを乗じて求めます。また、設計壁長=Σα×Lは耐力に相当する有効壁長で、各階の張間及び桁行方向それぞれに配置する耐震壁の実長Lに国が定めた倍率を乗じて得た長さを合計して求めます。なお、耐震設計は張間方向と桁行方向に別け、各階ごとに行います。  

 さて、想定外の大地震に対処する方法について考えてみましょう。想定外の外力に対抗するには右辺の耐力を大きくしなければなりません。右辺=Σα×L大きくするためには①αが大きい太い筋かいを使う。②Lを大きくするため耐震壁を増やす。③は①と②を併用する。通常はこの三つの方法のどれかを選択することになります。

しかし、想定外の外力に対応するためにはもう一つの方法があります。軸組構法に構造力学の原理や物理学の知見を取り入れて、数多くの実験をしたところ、極めて地震に強い構法が誕生しました。それがTIP構法です。TIP構法は通常の軸組構法とくらべると「想定外の耐力」を持つています。その上、この構法に上記三つの方法を取り込めば、その分だけさらに強くなります。これからお住まいをお建てになる方には「想定外の耐力」を持つTIP構法をお勧めします。TIP構法で「丈夫なお住まい」を造り、ご家族の生命とご一家の財産をお守りください。

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